借金の一部返済後の時効援用

DSC_0063こんにちは。一気に冬モードに突入しましたね。事務所では初ストーブでした。

借金の時効について中断事由をチェックに続きまして時効ネタです。

時効期間(たとえば5年)が経過しても債務者(消費貸借の場合、借り手のことです)が、時効を援用しないと借金は消滅しません。借りたお金はすべて返したいと考える方もいらっしゃるので、時効を主張するか否かを本人の意思に任せる趣旨です。

そして、時効を援用するためには、時効期間経過後、借金(債務)の存在を承認していない事が必要とされているのが原則です(時効期間の経過を知っていると否とを問わず)。

なぜなら、債務者が借金の存在を認める挙動(たとえば借金の一部を弁済する等)をとった場合、債権者としては、以後時効の援用はされないであろうという期待が生じ、その期待を保護すべき要請が出てくるからです。

そして、相手の期待とか信頼を法律用語では「信義則」とか言ったりします。判例もこの信義則を理由に時効期間経過後、一部弁済をした債務者の時効の主張を排斥しました(昭和41年4月20日最高裁判決)

この昭和41年の判決は、法律の勉強をした人なら一度は見たことのある有名判例ではないでしょうか。

しかし、下級審判例で最近、債務者の一部弁済後の時効援用を認める判決がいくつか出ているようです。

たとえば東京簡易裁判所平成25年3月15日判決は、債務者の一部弁済後の時効援用を認めました。

もっとも、この判例も昭和41年最高裁判決を前提としており、同判決と異なる判断を示したわけではありません。

41年最高裁判決は、前述のように信義則を理由として、債務者の時効援用を認めていません。

逆に言えば、一部弁済後の時効援用でもそれが信義則に反しないようなものだったら、時効援用を認めても昭和41年判決の射程に属するものといえるでしょう。

本事例でも、昭和41年判決の規範(信義則)を前提としたうえで、債務者は、債権者の半ば脅迫的な取立てを逃れるために仕方なく2000円だけ払ったこと、5年で時効の本件においてすでに10年もの年月が経っていたこと、債務者が債務の承認をしてから一か月も経たないうちに、訴訟を提起していることなど本件の特殊事情を考慮して、債務者の時効援用を認めました。

よく債権者が債務者の不知に乗じてとりあえず少額の弁済だけさせて債務を承認したことにさせたり、時効期間を偽って、本当は時効期間が経過しているのに、時効期間はまだ経過していないと言って弁済させたりするのも、債権者に法的保護に値する期待があるとは言えません。

このような場合も前述の昭和41年判決(信義則を理由としたからこそ時効援用を認めなかったという規範)からすれば、時効の援用は認められる可能性があるので、あきらめてはいけません。

東京に来てます。

DSC_0057こんばんは。いよいよ本格的に寒くなってきましたね。

連投で、司法書士のことと関係ないブログですみません。

昨日は、弟と私の東京の友達に誕生日のお祝いをしていただきました。

写真の一番左は双子の弟です。

一卵性で小さいころはよく似ているといわれていたのですが、最近は似てるという人もいれば、まー似てるけど、めちゃめちゃ似てるというわけでもないよね。と言われるようになってきました。

性格や生活スタイルも違うんで、どんどん顔もかわってきたんですかね。ただ声やしゃべり方は今でもそっくりだそうです。

弟は、英会話喫茶というお店を経営しています。

外国人の方とテーブルでお茶をしながら、日常のお話をして、自然に英語力を鍛えていくというコンセプトだそうで、週末にはパーティとかもやってるみたいです。

私は英語が大の苦手なのですが(汗)話せるようになりたいなーとは常日頃思っているので、またそのうちお世話になるかもしれません。

弟が経営しているお店です→英会話喫茶Leaf Cup

40才の誕生日

DSC_0056おはようございます。実は今日は私の40才の誕生日でして、同じく誕生日を迎える双子の弟と一緒にお祝いをしようということになりまして、朝から新幹線で東京に向かっています。

ところが浜松で不発弾処理をやっていまして豊橋であしどめをくらってしましいました(汗)

その後、無事、東京に着きまして、新宿のネットカフェでブログを書いています。

昨日は、京橋の不動産屋みやこハウジングさんのスタッフの皆様に誕生日のお祝いをしていただきました。

みやこハウジングさんの皆さまとは私が開業してまもなくですから、もう10年のお付き合いをさせていただいています。

とてもアットホームで、社長スタッフ皆様本当に感じのいい方ばかりです。大阪市内で物件をお探しの方はかなりお勧めの不動産屋さんですよ。

お店は京橋のイタリアンピッツェリア ダ ペピーノさんです。

お料理がパスタ、ピザなどどれも味付けが見事で、大満足でした。

最後にバースデーケーキまでご用意していただき、ありがとうございました!

都島区民センター士業無料相談会

DSC_0050こんにちは。大阪は昼前にすごい雨が降りましたが、すぐにやみました。

今日は以前ブログでもご紹介しました都島区役所での無料相談会でした。

こういった士業の相談会に参加したことは何回かあるのですが、私自身が主催者となって行うのは今回が初めてでした。

相談に来ていただけるか不安でしたが、終わり頃にかけこみの相談が一件ありました。

相談内容は紛争性のある事件だったので、弁護士の先生に相談に乗っていただきました。

行政書士、税理士、社会保険労務士の先生にもお忙しい中、来ていただいたのですが、該当する相談がなくて申し訳なかったです。

さまざまな生活問題について、相談に来ていただけるよう、告知期間を長くして、事前のPR活動をもっとすべきであったとか、反省点も多いです。

もっとも、反応もありましたので、今後、定期的に続けていきたいと思っています。

相談会のあと、京橋の焼き鳥屋「秋吉」さんで、打ち上げをしました。

右から順に、税理士の榎嶋先生、弁護士の幾波先生、僕です。

相談会に参加された皆さまは、もう10年以上のお付き合いの方ばかりで、なんでも相談できる仲です。困ったときにいつも助けていただいて、本当に助かっています。

社長が会社から借金をするリスク

こんにちは。朝晩はめっきり冷えるようになってきましたね。鍋の恋しい季節到来です。

僕は、司法書士とは別に有限会社を経営していたことがあるのですが、その時の経理上の失敗談をご紹介したいと思います。

会社は、個人と別の人格があり、かつ法律によって作られた人なので、生活費とかもかかりません。そのため、個人より厳格な貸借の一致が要求されます。

しかし、当時は簿記の知識もあまりなかったので、領収書もいい加減な保存でしたし、会社と個人でどちらの経費にするかとか、とにかく帳簿がごちゃごちゃになっていました。

そこで、年度末に数字が合わないと、会社から個人(社長)にお金を貸した形にして無理やり数字を合わせていたんです。

最初は少額だったのですが、毎年の累積で、貸付金が結構な数字になりました。

ちょっと、こりゃいかんと思い、税務署に相談したところ、まー会社は営利を目的にしているので、社長とはいえ無償で会社がお金を貸すのはおかしいですから、ちゃんと利息をとってくださいと。

ということで利息をとると、意味もない利息収入が計上されるので、その税金を払うはめに(汗)

それと、社長への貸付が計上されている貸借対照表は、会社が融資を受ける際に困ります。

一般論としては、会社が借金をしている場合に融資が受けにくくなる要因となります。借金の額が増えると、それだけ回収の可能性も低くなるからです。

しかし、会社がお金を貸している場合(貸借対照表の資産の部に、貸付金が計上されている場合)も同じように融資は不利になるというのが私の経験則です。

融資担当者曰く、会社に融資したのに、そのお金がそのまま社長に流れていくように思えるからだそうです。

当然といえば当然ですね。

このような結果になった原因はなにかと言いますと、ずさんな帳簿管理の帳尻を合わせるために、会社から個人への貸付処理をしたところにあります。

そんなこともあり、個人の収入から会社に毎月少しずつ返済する形にして、会社の貸付金勘定を減らす対策をとりました。

ところで、ちょっと前に会社法が改正されて、1円の資本金からでも会社を作れるようになりました。

私のお客様でも、1円の資本金で会社はできますか?と相談されることがあります。

そんなとき私は「1円でも法律的にはできますが、実際はある程度資本金を積んだ方がいいです。」とアドバイスしています。

なぜなら、1円で会社を設立した場合、最初に100円のボールペンを経費で購入する場合も99円を社長から借りるという記帳をすることになります。

これはあまりにも煩雑ですし、どうせすぐ借りることが明らかなら、当面の運転資金は資本金で積んでおく方が記帳上もすっきりします。

無理のある記帳をすると、最初は少額でも、たまりにたまってボディーブローのようにきいてくることがあります。