和解に代わる決定と訴訟取り下げ

こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。

今週はゴールデンウイークだったので、あっという間に週末になりましたね。

最近、過払いの訴訟で何件か連続で和解をしたのですが、一般的にその方法としては、裁判外和解+訴訟の取り下げと、和解に代わる決定の2パターンがあります。

訴訟を取り下げると債務名義がとれないので、当事務所でも原則は和解に代わる決定で終了させます。

ただし、同決定は原告代理人が裁判所に出頭しなければならないというデメリットがあります。大阪簡易裁判所なら近いのですが、他府県の裁判所だとこの時間が結構痛い。

もっとも、多くの裁判所が被告とまとまった和解案を上申書として提出すれば出頭を免除して、決定をだすという運用をしてくれています。

しかし、たまにその方法をとってくれない裁判官もいます。僕も出席しなくてもいいのが当たり前の運用と思っていたので、上申書だけ提出して口頭弁論期日を欠席したら実は決定がでずに裁判を休止にされてしまったという経験があります。

この時裁判官に他の裁判所と運用が全然違うと食い下がったのですが、だめでしたね。結局、裁判外の和解で入金+訴えの取り下げで対応しました。

業者と話がまとまっても実は意外と判断に悩むのがこの和解の方法です。

それでは皆様よい週末をお過ごしください!

個人民事再生開始決定と訴訟中断

こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。

受任後、すぐに債権者が訴訟を起こしてきました。スピード勝負ではこちらも負けていないので、給料差押えをさせないために、早期に個人民事再生の申立てをして開始決定をとりました。

しかし、それでも債権者は訴訟を取り下げず(汗)

個人民事再生の場合、通常の民事再生と異なり、訴訟が強制的に中断されないからです(民事再生法238条、245条が、訴訟中断を定める40条の規定を除外)。

個人民事再生では、債権を実体的に確定させる手続きが組み込まれていないというのが立法趣旨のようです。

債務名義をとられても39条により、強制執行することはできません。しかし、間違って強制執行の申立てをされたら、異議でひっくり返せるとしてもいったんは勤務先に借金の存在が知られてしまうリスクがあります。

そのため、裁判官にはできるだけ遅い日の判決にしてもらう事で了承してもらいました。本当は民事再生が認可されるまで、判決を先にしてもらいたかったのですが、認可まで半年くらいかかるのでそこまで延ばすのはさすがに無理といわれてしまいました。

あとは念のために法律違反に基づく強制執行は不法行為になりうることを書面で債権者の方に送っておきました。

それにしても、民事再生開始決定後の公権的処理の段階に入っても、なお訴訟を継続させるという債権者には困ったものです。それ自体は法律違反ではないので仕方ないといえば仕方ないのですが。

大体の債権者は開始決定の前の段階でも破産や民事再生の申立てをすれば、訴訟を取り下げてくれますし、それが無駄な訴訟費用の削減になるかと思います。

アイフルと無事和解成立

こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。

確定申告でバタバタしておりまして、だいぶブログの方を放置してしまいました(汗)

アイフルと和解が成立しました。といってもいつもの過払いではなく、任意整理による分割和解です。

受任したのは去年の8月の案件です。事務所の方針としては、将来利息をつけた内容での和解は絶対にしない主義なのですが、アイフルがかたくなに将来利息をつけろといってきたので話は平行線のままでした。

ところが、今年の3月になって、担当部署がかわったのか、いきなり将来利息カットの和解の提案をしてきました。もっとも受任してから半年以上経過しているので、その間の経過利息6万円くらいをつけてくれとのこと。

しかしそれもきっぱりお断りしました。そもそも複数の債務がある中で利息を払っていくのでは、やはり今後も借金の支払に苦しめられることになります。そういった無茶な提案をしているのを拒否するのは当たり前の事で、もめてた期間の経過利息を払う必要など全くありません。

その事を伝えると、収入が減少している事を証明する給料明細や源泉徴収票のコピーをいただければ経過利息もすべてカットした和解に応じるということでようやく折れてくれました。

待てば海路の日和ありですね。和解はあわててすると大体損します。

フクホーの訴訟提起

こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。

最近依頼者の方でフクホーから借りられている方が何人かいらっしゃるのですが、同社はすぐに訴訟を起こしてくるので注意が必要です。

通常、債務整理の受任通知を送れば、業者も顧客の破産等を覚悟するので、訴訟を断念するケースが多いのですが、フクホーの場合は関係ありません。この前も司法書士の受任の通知から2週間くらいで訴訟を起こしてきました。

当事務所としては、フクホーに限らず、業者から訴訟を起こされた場合、破産の申し立てを急ぐ対応をとっております。破産法44条1項により、破産手続き開始決定が下りれば、訴訟は中断するからです。

もっとも、破産の申立てには債権の調査表や家計簿を提出しなければならない関係上、どうしても時間がかかります。

そのため、訴訟に対して答弁書で請求棄却を求め、時間稼ぎをすることになります。そうすれば弁論は終結せず、裁判所が次回の期日を指定してくれます。

これにより、訴訟の終了を数か月先に延ばす事ができますので、その間に自己破産の開始決定をもらい、スピード勝負で勝てる場合がほとんどです。

フクホー以外でも、楽天やモビットなど訴訟をよく起こす業者はあるのですが、特にフクホーは訴訟までの着手が速いので支払を遅れている方はご注意ください。

たまたま何件かだけ、訴訟を起こしただけかなと思っていたのですが、どの事件でもフクホーは訴訟を起こしているんだなと思った事がありました。

それは大阪簡易裁判所の書記官室に行った時のことです。別案件での準備書面を直接持って行ったのですが、待ち時間の間に書記官室のボックス棚を何気に見てみると、「フクホー」とテプラが貼ってありました。おそらく同社の事件が多いので、裁判所でもまとめて管理しているのでしょう。

訴訟を起こす事自体は、法的な権利ですので仕方ないですが、放置しておくと勤務先の給料が差し押さえられるリスク(勤務先に借金してたことを知られてしまう)があります。そのため、なんとしても破産手続き開始決定を先にとって業者とのスピード勝負に勝たなければいけません。

1回目の口頭弁論期日が少し違いました。

こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。

あっという間に週末ですね。今週は過払いの訴訟で地方の簡易裁判所の方に行ってきました。

被告は出廷せず。次の期日を決めて帰るだけだと思いきや。。

裁判官が被告なしでかなり話をつめてきたのでびっくりしました。

通常は、1回目の口頭弁論に貸金業者は出席しません。それもどうかと思うのですが、慣習的に1回目は出席しないという扱いがまかり通っています。

そのため、ほとんどの裁判所で1回目は何も話が進まずに帰ることとなります。

今回の裁判官のように、少しでも話を進めてくれるのはありがたいです。被告のいない場で、本件事件の裁判官の心証もいろいろ聞き出すことができました。

遠方から来たので、期日の打合せだけで帰すのも気の毒だと思ってくれたのでしょうか。。

次回からは本格的に裁判が始まります。それでは皆様よい週末をお過ごしください!