訴訟引き伸ばし戦略

こんにちは、今回のクールで毎月楽しみにしているドラマが阿部寛さん主演の下町ロケットです。

大企業に立ち向かう中小企業の社長さんのストーリーですが、毎回見ててスカッとします。

第2話でナカシマ工業が、主人公の会社の資金繰りが厳しいことに目を付けて訴訟を引き延ばすというシーンがあります。卑劣なやり方ですね。実際は判決がでれば負けます。しかし主人公の会社が裁判を続ける体力がないので、和解とかに持ち込むことで事実上勝ててしまうわけです。

私が担当する過払いの訴訟でも、業者がこの訴訟引き伸ばし戦略を結構使ってきます。

一番多いのは、移送の申立てです。原告の住んでいる大阪の裁判所へ訴訟を起こすのですが(交通費が安くすみます)、例えば本店のある神奈川に移送してくれとかいう申立てをしてきます。全国に支店がある大企業ですので、大阪で裁判を行っても、大阪支店の社員を出頭させればいいのでなんの不利益もないはずですが。

もちろん裁判所も業者の移送の申立てを認めません。

それでも、懲りずに移送申立てをしてくるのは、審理のために数か月、口頭弁論が開かれるのが遅くなるからです。

過払い訴訟を起こす方は、多重の債務を負っている方が多いので早く過払い金を返金してもらいたい。その弱みにつけこんでこのような訴訟引き伸ばし戦略を行うわけです。

依頼者の方がどうしても早くお金を返してもらいたいといった事情がある場合、このような和解にも応じざるえない場合があります。しかし、ほとんどの依頼者の方は時間をかければ勝てる裁判であることを説明すれば、和解せずに裁判を続行する事を選択してくださいます。

他にもあの手この手で業者は裁判を引き延ばすのですが、そのやり方はまた日を改めてご紹介したいと思います。