こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。
受任後、すぐに債権者が訴訟を起こしてきました。スピード勝負ではこちらも負けていないので、給料差押えをさせないために、早期に個人民事再生の申立てをして開始決定をとりました。
しかし、それでも債権者は訴訟を取り下げず(汗)
個人民事再生の場合、通常の民事再生と異なり、訴訟が強制的に中断されないからです(民事再生法238条、245条が、訴訟中断を定める40条の規定を除外)。
個人民事再生では、債権を実体的に確定させる手続きが組み込まれていないというのが立法趣旨のようです。
債務名義をとられても39条により、強制執行することはできません。しかし、間違って強制執行の申立てをされたら、異議でひっくり返せるとしてもいったんは勤務先に借金の存在が知られてしまうリスクがあります。
そのため、裁判官にはできるだけ遅い日の判決にしてもらう事で了承してもらいました。本当は民事再生が認可されるまで、判決を先にしてもらいたかったのですが、認可まで半年くらいかかるのでそこまで延ばすのはさすがに無理といわれてしまいました。
あとは念のために法律違反に基づく強制執行は不法行為になりうることを書面で債権者の方に送っておきました。
それにしても、民事再生開始決定後の公権的処理の段階に入っても、なお訴訟を継続させるという債権者には困ったものです。それ自体は法律違反ではないので仕方ないといえば仕方ないのですが。
大体の債権者は開始決定の前の段階でも破産や民事再生の申立てをすれば、訴訟を取り下げてくれますし、それが無駄な訴訟費用の削減になるかと思います。