こんにちは、大阪の司法書士小林一行です。
借金の総額が70万円ほどの方の自己破産の手続きを進めていたのですが、このほど無事自己破産の開始決定が認められました。
この方は以前に他の事務所に相談したところ、借金の額が少ないので自己破産は難しいとの理由で断られたそうです。
しかし、自己破産が認められるかは借金の額だけで決まるわけではありません。もちろん支払不能が認められるかについて重要な判断要因(ファクター)になることは間違いありませんが。
破産法では、自己破産が認められるための「支払不能」について、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態とされています(同法2条11項)
そして、この支払不能の認定においては、借金の総額や、債務者の資産の有無、その額、収入や毎月の生活費、返済額等を総合的に考慮して判断します。
なぜなら、借金がどれだけ多くても、かなりの収入がある人に自己破産を認める必要はないですし、逆に少ない借金でも収入がなければ返済しようがないからです。
実際にご相談に来られ方も現在無職で収入がなかったため、借金が70万円であったとしても返済しようがありません。そのため、このような場合は特に資産等がなければ原則自己破産は認められます。
収入が少ない場合は少しの借金でも生活費を圧迫します。そのため、積極的に自己破産の手続きを利用することで、無理のない生活を送れるようにしていただければと思います。
それでは、皆様よい週末をお過ごしください。