破産の免責決定と確定

破産手続きにおいて、借金等の支払義務が全て免除される「免責」ですが、具体的に免除される時期がいつかというのが問題になります。

これは裁判所から免責の決定がでたときではなく、その免責決定が「確定」したときからとされています。

破産法253条1項 免責許可の決定が確定したときは、破産者、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。

この他にも、免責だけでなく確定まで生じているかが問題になる場面というのはいろいろあります。

例えば破産による免責は前回の破産免責から7年たっていれば認められますが、この7年の起算点は前回の免責決定からではなく、免責決定の「確定」した日からです。

破産法 252条1項 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

同項10号 ~一部省略~ イに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあったこと。

イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日

また破産者になると一定の職業に就けない等の資格制限がありますが、この制限が解除される復権も免責許可の決定だけでなく、その決定が「確定」したことまで必要です。

破産法255条1項 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。

同項1号 免責許可の決定が確定したとき。

免責と同様に破産手続きで重要なポイントが「破産手続き開始決定」です。

この決定も同様に「確定」が問題となる場面があります。たとえば、自由財産の拡張申し立ては破産手続き開始決定が「確定」してから1か月を経過すると原則できません(破産法34条4項)。

このように破産手続きでは重要な概念である「確定」ですが、これはいつ生じるのでしょうか。

破産法上とてもややこしい条文操作が必要なのですが、長くなってきましたので次回のブログでこの点について掘り下げていきたいと思います。