民法の改正

こんにちは、大阪京橋の司法書士小林一行です。

昨日夜のNHKニュースを見てると、民法改正がテーマにあげられていました。

以前から民法の改正というのは、業界で話題になっていたのですが、NHKでニュースになるという事はいよいよ改正も現実味をおびてきたなという感じがします。

改正内容で僕が個人的に気になったのは、法定金利が年利5%から3%に変更されるというものです。

低金利下時代に5%は取りすぎじゃないかという事らしいですが、不当利得を助長する事にならないか若干心配です。

というのも業者に過払いの請求をすると、大体減額の提案をしてくるのですが、それを断ると、裁判になったら長期化してなかなか過払い戻ってきませんよと反論してきます。

そんな時は決まって僕は以下のように再反論します。

「ご本人さんは、過払いの元金だけでなく、返金までの利息もすべてつけてもらう事を希望しています。この低金利の世の中、銀行に預けていても利息なんて二束三文ですよ。それならば裁判中御社に過払い金を預かってもらっておけば年利5%の運用利息がつくので、銀行に預けるよりよっぽどいいと思います。裁判を長引かせれば長引かすほど、御社の負担はどんどん大きくなっていきますよ。」

これが3%になると業者の負担がその分減ってしまいますから、過払いをなかなか返さない方向になるかもしれません。

それともうひとつ気になったのが、時効が一律5年になるというもの。過払いのご相談に来られる方は完済から結構期間がたっていることも多く、現行の10年を経過しているというケースもよくあります。

それが、5年になると、さらに過払い請求が封鎖される事になり、不当に業者を利得させることになるのではないかと思います。少なくともこのような消費者被害の事例においては時効の特例を認めるといった処置も検討されるべきではないでしょうか。

消費者は、強者である企業と対等な立場でなかなか契約できません。そのような社会的実情をふまえた改正内容にしてもらいたいと思います。